研究分担者 |
藤江 裕道 北里大学, 医学部, 助手 (20199300)
山徳 義郎 北里大学, 医学部, 講師 (70146463)
笹本 憲男 北里大学, 医学部, 講師 (50146354)
糸満 盛憲 北里大学, 医学部, 助教授 (70104528)
馬渕 清資 北里大学, 医学部, 講師 (70118842)
飯塚 健児 北里大学, 医学部, 講師 (80146464)
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研究概要 |
本研究は, 多関節マイクロロボットを骨折治療に応用する目的で行った. 従来, 骨折の治療を行う際, 治癒の経過を観測する手段として用いられてきた方法は主としてX線撮影であった. X線撮影は, わずかな侵襲で骨折部の状態を知ることができる. しかし, 得られる情報は, 定性的であいまいである. とくに, 骨折部へ荷重を開始する時期の判断をX線画像から読み取る作業は, 重要でありながら困難なものであった. 医師の徒手による診断(触診)も一般に用いられている. しかし, これもあいまいである. こうした背景のもとに, 骨折部の力学的な強度を正確に測定し, その判断の材料とする方法の開発が望まれている. 本研究では, 測定系に多関節ロボットを応用することにより, 骨折部の強度を直接的に正確に知る方法の開発を試みた. この方法を臨床に応用するためには, 測定精度の検定の問題と患者とロボットの接続の問題がある. そこでまず測定精度の検定のため, 家兎を用いた動物実験を行った. 固定台上で家兎の左下肢を創外固定し, 他の3肢はギプス固定した. その状態で健丈な左下肢の強度測定を行った. まず創外固定の遠位端をはずし, ロボットのフィンガー部に固定した. 次に, 逐次制御でロボットのフィンガー部を回旋させた. そのときのモーメントと回旋角の関係から骨の強度(剛性)を求めた. 回旋角の測定は別のロボットに変位トランスデミューサ(非接触形変位計)を支持させて行った. つぎに同じ左下肢中央付近に人工的な横骨折を作成し, 同様の測定を行った. その後, 3日ごとに測定をくり返した. そして, 得られた剛性の経時変化を求めた. それをX線観察により求めた影像と比較した. 一回の測定は, 同じ条件で3回くり返した. その結果, 測定ごとのばらつきは極めて小さく, その再現性は良好だった. このことから, 1.多関節ロボットを骨折部の強度測定に応用できる. 2.測定による侵襲は小さく無視できることを確かめた.
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