研究課題/領域番号 |
61570767
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高山 一生 九州大学, 医学部, 助手 (10163320)
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研究分担者 |
武井 実根雄 九州大学, 医学部, 助手 (20197255)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 膀胱内圧 / 膀胱壁内圧 / 生理的条件下 / 犬 / 自律神経薬 / 抗コリン薬 / コリン作働薬 / 排尿 / 生理的条件 / 自律神経作動薬 / コリン効果薬 / αブロッカー / 平滑筋弛緩薬 |
研究概要 |
雑種雌成犬に圧力トランスデューサー(ICT/b)を膀胱粘膜下に埋め込み、1週間以上経過した後、生理的条件下で膀胱内圧測定を行った。立位、坐位などの体位変化による膀胱内圧変化をはじめ、排尿時、排便時、咳時などの膀胱内圧変化も記録する事ができた。又、排尿時の圧パターンは一峰性、2峰性、3峰性などあり、一期に排尿を行う一峰性の圧パターンでは、尿流パターンとの間に位相差がみられた。ウロフロメトリーで測定すると、排尿時で圧がピークに達した時が排尿終了である事が明らかになった。 我々の実験系において、膀胱内圧に及ぼす各種自律神経作動薬の実験が、in vivoで可能となったが、抗コリン薬静注で排尿圧は明らかに低下したがその効果は一時間以内で消失した。コリン作働薬のうちコリンエステラーゼ阻害薬では膀胱内圧は徐々に増大し、投与後150分前後でピークに達した。また膀胱内圧と尿流量率を同時測定することにより、尿道抵抗の算出が可能となった。尿道抵抗は尿流量率がピークを示す時が最低値となり、この値はαーブロッカーの投与により明らかに低下することが証明された。これら一連の実験により従来断片的にしか知ることのできなかった自律神経薬の尿流動態に及ぼす影響をより臨床に近い形でダイナミックに捉えることが可能となった。膀胱内圧と尿流量率が同時測定できたために、排尿の開始は外尿道括約筋の弛緩によって始まり、引き続いて利尿筋の収縮がおこり、括約筋の収縮によって排尿が終了した時点から利尿筋は徐々に弛緩するという一連のサイクルも明らかとなり、正常排尿の開始と終了における外括約筋の随意的な弛緩と収縮の果たす主導的役割が明確となった。
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