研究概要 |
1.回転型ガンマ・カメラおよび付属コンピューター・システムを用い, 新しく開発した吸収補正再構成アルゴリズムによりSPECTの画像再構成を行えるようにした. 2.肝・腎ファントムに既知量のTc-99m水溶液を入れ, 計数-放射能曲線を作成した. 3.正常者の^<99m>Tc-DMSA腎断層画像を作成, 各断面から腎辺縁の自動抽出, 辺縁内面積, 計数の算出を行うプログラムの開発, 整備を行った. 4.2と3を用いて正常例, 各種腎疾患例の腎容積, 腎摂取率を算出し, 本法の臨床的有用性を評価した. 5.腎形態, 機能正常な成人20例(男女おのおの10例)40腎の腎容積, 腎摂取率を算出し, 正常値を設定した. 腎容積は, 男子では右腎220±23ml, 左腎239±23ml, 女子では右腎205±23ml, 左腎236±33ml, 腎摂取率(2時間値)は男子では右腎26±3%, 左腎27±3%, 女子では右腎26±2%, 左腎27±3%であった. 6.腎摂取率は実質性腎疾患, 腎実質占拠性疾患, 閉塞性尿路疾患の分腎機能を正確に評価できた. また, 閉塞性尿路疾患の術前後の腎機能が正確に評価できた. 7.健常老年者(60歳以上)17例34腎の腎容積205±50mlと腎摂取率22±5%は, 成人健常対照例(18〜59歳)24例48腎の腎容積225±27ml, 腎摂取率26±2%と比較し, 有意に低値を示した. 8.全健常対照例41例の年代別腎容積, 腎摂取率, Ccr値は, 腎摂取率, Ccr値では加齢とともに徐々に低下したが, 腎容積では80歳以上で急激に低下した. 9.腎機能障害で腎とバックグラウンドとの比(BG比)が高い例でもより正確に腎の容積, 摂取率の算出ができるように, バックグラウンドに対応する最適いき値を再構成イメージ上のBG比から求める事が可能なプログラムを整備した. 10.体外衝撃波結石破砕術(ESWL)による腎組織障害の有無と程度を^<99m>Tc-DMSA腎断層イメージ, 腎容積, 腎摂取率によりESWL前後で検討, 6例中4例で明瞭な破砕部腎機能の障害を確認できた.
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