研究概要 |
1.高プロラクチン血症(HP)のPRL,LH,FSH,pulseに関する研究 HP11例、うちProlactinoma(P)5例、Functional(F)5例、Drug induced(D)1例に対し24時間連続採血をおこない(2例は6時間)次の結果を得た。 1).PRL-P例ではnocturnal surge(NS)がみられないが、F例では明らかなNSがみられた。 2).LH-午前9時より6時間の連続採血による他の無月経症例との比較 a.LH pulse frequency(LH-PF) 正常女子(C:卵胞期初期5例)3.4±0.55、第1度無月経低頻度群(【I】低:9例)、2.0±0.87、高頻度群(【I】高:9例)4.6±0.53、PCO(6例)5.2±0.75、第2度無月経(【II】:6例)1.7±1.37に対し、HP2.0±0.71であり、LH-PFは【I】低、【II】HPが有意に低頻度であった。 b.LH pulse amplitude(LH-PA)miu/ml C6.6±2.63、【I】低6.9±3.89、【I】高5.4±1.7、PCO8.4±1.20、【II】2.9±1.98に対しHPは4.8±3.48で【II】のみが有意に低値であった。 3).FSH-LHと同様の比較検討をおこなったが各群間に有意の変動は認められず、FSHと【E_2】値の間にも有意の相関は認められなかった。 2.Prolactinomaの妊孕性の比較 昭和61年のHP症例中任娠例は13例で、うち2例が流産した。13例中、【P_2】例(手術例5、非手術例7)、F1例でいずれも妊孕性は良好であった。 3.妊娠中の血中PRL値、並びに産褥期乳頭吸啜試験 上記妊娠例中術後の3例は妊娠中のPRL値は低値を持続した。産褥期PRL値も低値で、産褥5日目におこなった乳頭吸啜試験による血中PRLの反応も全く不良であった。
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