研究概要 |
転移性絨毛癌株GCH-1(m)はヒト非転移性絨毛癌GCH-1より樹立された. これは10^<11>個の細胞をヌードマウスに皮下移植すると100%の確立で肺に転移巣をつくる. 我々は転移性のものと非転移性のものでは遺伝子レベルで違いがあると考え, GCH-1のDNAをGCH-1(m)にgenetransferするとGCH-1(m)は転移能を失なうのか, 又GCH-1(m)のDNAをGCH-1にgenetransferするとGCH-1は転移能を獲得するのかを検討した. GCH-1(m)のDNAを注射針で株関数にshearしたものを, DEAE-Dextran法でgenetrenxferとGCH-1は転移能を獲得することがわかった. 同じくGCH-1(m)のDNAを, 他の絨毛症細胞株TAK-N又は卵単症株TYk-in1,genetransferし, ヌードマウスに移植した. この結果TAK-Nは転移能を獲得したが, Tyk-nuは転移を獲得することは出来なかった. このことは転移能には臓器特異性を示唆するものである. 正常細胞も癌化させうる因子は数十〜数百といわれており, 転移の為の因子も単一ではなく多数あると考えられるが, 転移能を獲得するgeneのilrinyを行なった. GCH-1(m)のsheared DNAを20万塩基以上, 10才〜20才塩基, 10才塩基以下に分画し, それぞれ別々にGCH-1にgenetransferした. その結果それぞれの分画は単独では転移能を獲得することが出来なかった. つまり肺転移能を獲得するには単数ではなく複数のgeneが関与していると結論された.
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