研究概要 |
昭和62年度の研究計画としては前年度に達成された(1)豚卵に対する各種抗体作製, (2)豚卵からのintactなRNAの抽出法の開発に基づき, より大量のRNAを抽出し, それを鋳型として無細胞蛋白合成系で蛋白合成を行ない, 合成蛋白と(1)の抗体との間で免疫沈降物を作り, 豚卵の精子リセプター蛋白のRNAの同定を行なうことにあった. 今年度preliminaryに免疫沈降物をSDS-ゲル電気泳動法により分析したところ, 特異的なバンドが得られなかった. そこで更にRNA抽出をscale-upし, より高い放射性活性を有する合成蛋白を用いて実験を重ねるべく準備を進めていたところ, J.Deaniによるマウス透明帯精子リセプター蛋白(ZP-3)のクローニングの論文が発表された(PNAS, 83, 4343, 1986). そこで実験計画を変更し, Deanらの発表したcDNA sequenceの一部(42mer)を合成し, マウスのgene bankからこの合成42merとhybridするgene fragmentをクローニングし, これを用いて豚ZP-3のクローニングを行うべく実験を進めている. 現在42merとhybridするgene fragmentのスクリーニング中である.
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