研究課題/領域番号 |
61570805
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
日高 敦夫 阪市大, 医学部, 助教授 (90047019)
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研究分担者 |
駒谷 美津男 大阪市立大学, 医学部, 講師 (90094474)
須川 佶 大阪市立大学, 医学部, 教授 (20046791)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 妊娠中毒症 / PIH / 妊婦心機能 / Catecholamine / RAA系 / 体位変換 / pulsed doppler / utero-renal reflex |
研究概要 |
PIH,CHVD,双胎妊娠及び甲状腺機能亢進症合併妊娠について正常妊婦を対照とし以下の検討を加え、妊娠末期高血圧発症の病態と成因を探ってみた。1.thermodilution method(T.M.)を用い正常妊婦5例高血圧妊婦10例につき母体心機能を測定した。その結果、Cardiac Index(C.I.)は両者とも陣痛発来に向かい減少傾向を示した。またCVPは妊娠末期上昇し特に高血圧妊婦で高値を示した。一方LVSWIは妊娠末期低下するが高血圧妊婦において正常妊婦よりも高値であった。そして全身末梢血管抵抗(SVR)は高血圧妊婦で高値を示した。2.液性因子の検討では、血中Catechdamine(HPLC法)の内、Noradrenalinは高血圧妊婦で32週以前より以後で有意に上昇したが、正常妊婦に比し、低値であった。Adrenalinは有意差がなかった。一方、RAA系の測定(RIA法)では、PRAは高血圧妊婦で正常妊婦に比し有意に低値で、A【II】,Aldosteroneも同様の傾向を示した。またPRAは高血圧妊婦で、分娩前5週以前より陣痛発来に向け有意に低下した。3.次に妊娠末期妊婦を側臥位から仰臥位へと体位変換した場合上肢血圧が20mmHg以上上昇する群をSupine Hypertension(SHe)群と規定した。この時、PIH妊婦の87%かSHeであった。しかもSHeでは下肢の血圧低下傾向を認めたことから仰臥位では妊娠子宮による腹部大動脈の圧迫が示唆された。そこでT.M.によりこの時の母体心機能を測定したところ側臥位にて心拍出量は増加したが、CVPは側臥位への変換にて著明な血圧変動のみられない症例では増加し、一方SHe例では側臥位で低下した。4.またこの体位変換の胎児に対する影響として超音波pulsed doppler法にて胎児大動脈と臍帯動脈のPIを求めた。この結果、母体側臥位にて両者PIが改善された。5.妊娠家兎を用い子宮内メトロイリーゼによる子宮内圧上昇にて血圧上昇、腎交感神経活動impulse上昇を認めた。以上、PIH発症に関する基礎的臨床的検討を行い、PIH妊婦管理に関する側臥位での有効性を認めた。
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