研究課題/領域番号 |
61570808
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小林 善宗 東海大学, 医学部, 講師 (90162031)
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研究分担者 |
本田 育子 東海大学, 医学部, 講師 (60147139)
井上 正人 東海大学, 医学部, 助教授 (60102836)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1987年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1986年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 配偶子卵管内移植 / GIFT / 卵管内精子輸送障害 / 卵子pick up障害 / 精子受精能力検査 / 卵管形成術 / 子宮内膜症 / 原因不明不妊 / 不妊症 / IVF-ET / 精子受精能力 |
研究概要 |
1.配偶子卵管内移植法(GIFT)の適応と臨床成績:S.60〜63.3の期間に185例の難治性不妊患者に234回のGIFTを行い、49例の妊娠が成立した。対患者妊娠率26.5%、対GIFT妊娠率20.9%であった。 主な不妊原因別の適応による妊娠率は、対GIFT妊娠率で、(1)卵管内精子輸送障害30.0%(6/20)、 (2)術後卵管内性不妊(卵子pick up障害)24.1%(27/112)、 (3)子宮内膜症20.0%(10/50)、 (4)男性不妊12.2%(5/41)、 (5)原因不明不妊9.1%(1/11)であった。 2.受精能力異常を伴う男性不妊に対する臨床成績の検討:透明帯除去ハムスター卵子を用いたヒト精子貫通試験(XSPT)で精子受精能力異常(ZSPT30%以下)を伴う男性不妊の自然妊娠率は22.6%(77/340)にすぎず、体外受精治療(in vitro)では受精しなかった。GIFT(in vivo)により12.2%(対GIFT妊娠率)が妊娠し、低率ではあるが有効な治療法と考えられた。 3.不妊における卵子pick up障害の頻度の検討:卵管形成術の成績は、(1)microsureryで妊娠率37.6%(S61.12までの成績、89/237)、 (2)腹腔鏡下卵管形成術で妊娠率38.5%(同上、198/514)であった。卵管形成術後不妊の原因は卵子pick up障害と考えられ、これを対象にGIFTを行うと24.1%に妊娠が成立した。 4.卵管内精子輸送障害に対する検討:AIH腹腔鏡による腹水中精子回収試験1124例(S58.10〜62.9)の分析では、207例(18.4%)に卵管内精子輸送障害が存在し、その予後は不良で明らかに難治性不妊原因と考えられた。これを対象にGIFTを行うと30.0%が妊娠した。 5.まとめ:GIFTは卵管内精子輸送障害や卵子pick up障害(卵管形成術後不妊)に対して有効であった。GIFT不成功例では、不妊原因として卵管内受精障害か着床障害が考えられ、GIFT治療は診断的価値が認められた。
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