研究概要 |
内耳リンパ液のクリアランス, 静水圧, 酸素分圧を指標として内耳血液循環動態を検討, 更に薬剤負荷による循環動態の変動を促えた. 1.水素クリアランス法による内外リンパ循環動態の研究:外リンパに比し, 内リンパの代謝の方が高く, グリセロールにより代謝が高まることが明らかとなったが, フロセマイド, マンニトールはその代謝に影響を与えなかった. 2.サーボ圧測定装置による内外リンパ圧測定:生理的状態においては, 内外リンパ圧に有意の差は見られなかった. 無酸素下, グリセロール投与によっても内外リンパ圧差は生じなかった. 3.ポーラログラフィーによる内耳リンパ酸素分圧測定:内リンパ電位(EP)と外リンパ酸素分圧の同時測定を行い, 無酸素下, 利尿剤負荷条件下での相互の関連性を検討しているが, 結論を出すには至っていない. 今後, 内外リンパ圧変動による内耳酸素供給量の変動, 実験的内リンパ水腫における内外リンパの循環動態, 静水圧変動, 酸素供給量の変動などを検討し, メニエール病の病態解明を行っていく予定である.
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