研究課題/領域番号 |
61570841
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
望月 学 東大, 医学部, 講師 (10010464)
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研究分担者 |
岩瀬 光 東京大学, 医学部, 助手 (60176550)
早川 和久 東京大学, 医学部, 助手 (40183561)
山上 淳吉 東京大学, 医学部, 助手 (50183679)
宮田 和典 東京大学, 医学部, 助手 (10190787)
沼賀 二郎 東京大学, 医学部, 助手 (30189352)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 実験的自己免疫性ぶどう膜炎 / IRBP / S抗原 |
研究概要 |
内因性ぶどう膜の発症機構を解明する目的で、二種類の網膜抗原を用いて、それにより惹起される実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)の免疫病理機序について以下の研究を行なった。 1.網膜抗原の分離精製:ウシ網膜を材料とし、超遠心、ゲル3過法(Ac【A_(34)】ゲル)、イオン交換クロマトグラフィ、コンAクロマトグラフィを用い、網膜S抗原とInterphotoreceptor Retinoid Binding Protein(IRBP)の分離精製法を確立した。この方法で得られたS抗原、IRBPは分子量が各々4万と14万で、免疫学的交叉もない単一の蛋白質であった。2.実験動物に対する病原性についての研究:各抗原を完全フロイトアジュバントに混和し、各種動物に免疫した。ルイスラットに対しては、S抗原は7.5μg以上、IRBP1μg以上の用量で、眼と松果体に炎症を惹起した。しかし、マウスとウサギに対しては病原性はなく、サルに対しては250μgの用量で眼内炎症を惹起した。サルにおけるこれらの網膜抗原によるぶどう膜炎はヒトのそれに類似しており、血管炎と肉芽性炎症が主体であった。3.実験的ぶどう膜炎の移入実験:IRBPの免疫ラットから脾細胞を採取し、これを更にIRBP又はConAで3日間培養刺激した感作リンパ球をnuiveなラットに移入したところ5日後に眼内炎症がrecipientのラットに生じた。移入する感作リンパ球をT細胞のサブセットに分離したところ、ヘルパーT細胞がEAUを移入する能力のあることが判明した。ヘルパーT細胞を移入された、EAUを生じたラットの免疫反応を調べると、抗IRBP抗体価を極めて低く、一方、IRBPに対するリンパ球増殖反応は高かった。これらのことから、IRBPにより生じるぶどう膜炎の免疫病理機序においては、Tリンパ球が中心的役割を果しているものと考えられた。
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