研究概要 |
ツブリシール,キャナルスおよびAH26をラット皮下に埋入したあと、組織を摘出し、その一部を病理組織学的に検索した。すなわち、コラゲーン染色をほどこして周囲組織における結合組織線維に変性などが認められないことを確認した。したがって、組織からコラーゲンを分離精製する必要はないものと判断し、組織をホモジナイズ後,水溶性成分および酸可溶性成分についてカラムクロマトグラフにより分画を試みた。 その結果、正常皮下組織から2分画、シーラー埋入周囲の組織から2〜4分画を得た。 正常組織の画分と共通しない位置に認められる画分をポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法によって確認のうえ、その画分についてマクロファージ遊走試験をおこなった。 病理組織学的検索において細胞の動態もあわせて検討したが、その所見とマクロファージ遊走試験との結果にある程度の相関は認めることができた。しかしながら、マクロファージの遊走した数がかなり低い値になっており、今後、組織の抽出法を再検討し、遊走数の安定した結果が得られるように努めたい。
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