研究概要 |
実験補法:900,1020,1200,1300,1400゜Cで焼成したdense顆粒および2次粒子間隙が存在する1200゜Cで焼成したporous顆粒、ならびに径6μm、30μmのレジンビースを混合して1200゜Cで焼成したporous顆粒の8種の径500μmのアパタイト顆粒を充填材料として用い、成犬下顎骨に径5mm、深さ10mmの円柱窩をし片鎖に5個形成し、1個の窩に1種の顆粒を充填した。充填後2週〜3か月における充填域の状態について光学ならびに電子顕微鏡を用いて観察を行った。 結果:骨形成について…充填後2個ではすべての種類の顆粒においてその相互間隙および顆粒表面に骨形成がみられる。それぞれの骨形成状態には有意差がないが、dense顆粒に比べporous顆粒充填域では骨形成範囲がやや広い。充填後3か月ではdense顆粒とporous顆粒との内に顕著な差がみられるが、5種のdense顆粒内には有意差はみられない。dense顆粒充填域では外側1/2領域では良好な骨形成が生じているものの、内側1/2領域では顆粒内に密な線維組織が形成されている部分が多い。porous顆粒充填域では、そのほぼ全域で良好の骨形成が生じており、密な線維組織はほとんど形成されていない。3種のporous顆粒のうちでは、30μmのporous顆粒がもっとも顆粒内の骨形成が良好である。 マクロファージの作用について…顆粒表面に骨形成がなく、また線維組織が被包していない部分ではマクロファージが出現している。充填後3か月の標本におけるマクロファージによる顆粒表面の浸食状態は、deuse顆粒とporous顆粒とに有意の差がみとめられる。deuse顆粒においてはマクロファージは顆粒の結晶を取りこんでおり、それらの結晶は焼成治度が高くなるほど大きい。一方、porous顆粒におけるマクロファージの侵食程度は低く取りこんでいる結晶も少ない。
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