研究概要 |
ファイW-14DNAの異常塩基, プトレシノメチルウラシル(エ)を含むオリゴヌクレオチド, 及び塩基(II〜V)を含むオリゴヌクレオチドを合成した. またこれらの塩基の代りにチミンを含むオリゴヌクレオチドも併せて合成した. 化合物(VI, VII)を塩基とする2´-デオキシヌクレオシドは今回新規に合成し, オリゴヌクレオチドの原料とした. 塩基(区)を含むオリゴヌクレオチドの合成法を開発し, このオリグヌクレオチドのホルミル基をアルキルアミノメチル基に変換し, 塩基(I, III, IV)を含むオリゴヌクレオチドの合成にも成功した. この反応を利用してバクテリオファージSP10などのDNAに含まれる(VIII)を塩基とする2´-デオキシヌクレオシドの合成も行った. これらの合成オリゴマーの二本鎖は全てB型配座をとっており, 融解温度(Tm)の測定結果から5-アルキルアミノメチル基の二級のアミノ基はTmを下げ, 末端のアミノ基は上昇させる傾向にある. 塩基(I)含む塩基配列の異なったオリゴマーのTmの比較から, この塩基の5´側にGC塩基対を持つことにより, Tmは大きく上昇することから塩基配列がこの種のオリゴマーの熱安定性に大きく関与している. これらの合成オリゴマーのうち二級アミノ基(I〜IV)を持つオリゴヌクレオチドは種々のヌクレアーゼによる水解に抵抗し, 高温でのみ一部水解されるが, 修飾塩基を含む折片が残る. また制限酵素による水解では今回試験したオリゴアーの全てが切断されなかった.
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