研究概要 |
研究計画に従いハレナキノン(1)類を合成目的とし, (-)-Wieland-Miescherケトン(2)を出発原料として14工程でアセチレニックエノン体(3)に導いた. (3)の分子内[2+2]光環化反応により3環性シクロブテン体(4)を得, ついでオゾン酸化, 酸処理, エチレンケタール化により3環性フラン体(5)を合成した. 以上のようにして光学活性原料からハレナキノン(1)類の重要合成中間体となる3環性フラン体(5)の一般的な合成ルートを確立した. 次に(5)のアルコールの保護基であるベンジル基を除去するため, Pd-C存在下加水素分解を試みたところ3容易に脱ベンジル化されないことが判明し, 望むアルコール体(6)は低収率であった. つぎに水酸基の保護基として, 除去しやすいP-メトキシベンジル基を用い, 上記で確立したルートに従って(2)より(7)を合成し, 同様な光反応により(8)とし, さらに3環性フラン体(9)を合成した. 今後(9)より(1)の合成を行なう予定である.
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