研究概要 |
1.チオニウムイオン中間体を用いるγ-ブチロラクタムの新合成法:N-(1-プロペニル)-N-α-メチルスルフィニルアセトアミドを塩化メチレン中トリフルオロ酢酸無水物で処理すると, 3-メチルチオー4-ビニルピロリジンー2-オンが得られた. 2.チオニウムイオン中間体を用いるピロリジジン環の新合成法:L-プロリノールから合成した2-(1-プロペニル)ピロリジンのα-メチルスルフィニルアセトアミドを上と同様に処理すると, 1-ビニルピロリジジンー3-オン誘導体が得られた. これから数行程を経て光学活性(-)-トラケランタミジンに導くことに成功した. 3.ラジカル環化反応を用いるγ-ブチロラクタムの新合成法:N-アリルーN-α-クロローα-(メチルチオ)アセトアミドを還流ベンゼン中, アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)存在下, n-BU_3SnHで処理すると, γ-ブチロラクタムが高収率で得られることを見出した. さらに, 脱離基としてクロロ基の代わりにフェニルチオ基でもよいことがわかった. 4.ラジカル環化反応を用いるピロリジジン環の合成:L-プロリノールから合成した2-ビニルピロリジンのα-クロローα-(メチルチオ)アセトアミドを同様に処理すると, 1-メチルピロリジジンー3-オン誘導体が得られた. これから数行程を経て(±)-ヘリオトリダン及び(±)-プソイドヘリオトリダンに導いた. 5.α-チオカルバニオンを経由するピロリジジン環の合成:L-プロリノールから合成した2-ホルミルピロリジンのα-メチルチオアセトアミドを無水テトラヒドロフラン中NaHで処理するとテトラヒドロピロリジンー3-オン誘導体が得られた.
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