研究概要 |
(1)昨年度と同様の方法で東海大学病院を昭和61年3月に退院した患者のうち644名を60年6月に退院した631名と併せて検討した. いづれも在院日数7日以上, 60日以内の患者に限定した. (2)我々は臨床検査を検体検査と生理検査にわけ, 又, スクリーニング検査, 鑑別診断(病名と重症度), 経過観察のための検査及び合併症, 併発症の検査に分類した. (3)上記退院患者の夫々の1入院期間中で同一検査が7日間に3回以上あるものについて病名, 病状, 検査所見をカルテにより検討し, 必要あれば主治医をまねいて検討し, 妥当, 不必要の疑い, 調査不能の三群に分けた. (4)上記退院患者を主病名により, 17分類し, 検討した. 又, 手術例, 死亡例, 未熟児例を抽出して検討した. (5)同一検査のあった症例は60年6月, 61年3月の上記退院患者のうち夫々48.3%, 45.3%であった. (6)同一検査のあった症例のうち, いづれの同一検査も妥当と判断された症例は両月夫々64.9%, 63.4%であった. (7)両月の同一検査のうち不必要の疑いのある比率の高い検査項目はマルチスティック, デキストロスティックス, 血沈, 血液生化学および未血検査なのでこれらの検査はその頻度に注意する必要がある. 即ち検体検査で経過観察用検査に同一検査が多く行われる. (8)同一検査の起こり易いと考えられる手術例, 死亡例, 未熟児例について夫々検討した. (9)臨床検査に関して病名, 病状による検査項目についての成書論文は多くあるが, 検査の頻度についての発表は殆どない. 臨床検査の標準化はこの両者の組み合わせによるものである.
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