研究概要 |
研究代表者および研究分担者が提唱している電磁流体模型によるシミュレーションの技法FEMALE法は, 双曲型あるいは双曲型に近い放物型偏微分方式に対して, 数値拡散のない, もしくは事実上ない数値解を与える事が出来る. このアルゴリズムの適用範囲を見極めまた適用範囲を拡大する事が本研究の目的であった. FEMALE法は, 節点(したがって有限要素)が任意の速度で運動する可動節点有限要素法と考えられ, その速度の任意性を利用して数値解の精度の最適化を行なう. この時に生じる2つの問題点がある. 第1は最適節点速度を決定する方法である最小2乗法の開発であり, 第2は有限要素の変形を抑止する節点再結合法である. 最小2乗法は一般に, 解は任意性をもつ. 節点速度の場合のこの任意性は有限要素の変形を小さくする事に利用した. 具体的には節点速度の発散を0とする条件と連立させた. まり離散化された基礎方程式中に含まれる数値誤差のために節点速度が異常な値を取る可能性を指摘し, これをさける方法について論じた. 節点再結合法については, 基本的な5つの方法について考察した. それらはDIAGONAL FLIP, 年輪状多角形法, デカルト系多角形法, 外節円法, 補助格子法である. これらはそれぞれの特徴があり, 一概には優劣をつけ難い.
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