研究概要 |
マルチメディアデータベース管理システムとは, オフィスオートメーションやファクトリオートメーションに必要とされるデータ, たとえば従来の文字・数値データに加えて, 文書, 伝票, 地図, 図面, 写真, 画像といった多様なメディアのデータを統合管理, 運用しようとするシステムである. 近年マルチメディアデータベース構築の必要性は強く認識されてきたものの, 一体マルチメディアデータベースとはどのようなデータベースなのか, またそれをどのように管理・運用してゆけばよいのかについては, 全く不明であった. 本研究はそれを明らかにしようというものであった. 研究は二年間にわたって遂行されたが, 初年度はマルチメディアデータベースとはを解明することに重点をおき, 最終年度はそれをうけてそのようなデータベースの管理・運用のための体系化をはかることを目的にした. その結果, 文字・数値データベース, 図形データベース, 画像データベース, 音データベースといったさまざまなメディアのデータベースを統合するための手法としてオブジェクト参照法を提示すると共に, これによって得られるマルチメディアデータモデルをOMEGAモデルと名付け, システム全体をOMEGA(Object-oriented Multimedia database Environment for General Application)として提示した. 更にマルチメディアデータ操作(データベースへの問合せとデータの更新)の体系を明らかにするために, OMEGAモデルのオブジェクト概念を明確にした. とくにオブジェクトの同一性に議論の重点をおき, 実世界がどのようにOMEGAシステムに取り込まれているのかを明確にした.
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