研究課題/領域番号 |
61580039
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
土屋 公幸 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (30155402)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 新しい実験動物 / 野生齧歯類の維持方法 / 疾患モデル動物 / ミラルディア / セスジネズミ属 / ヨーロッパモリネズミ / ヤマネ / アゼネズミ / 野性齧歯類の維持方法 / アポデムス類 / ハタネズミ類 / 体外授精 / 人工授精 / セスジネズミ / アカネズミ |
研究概要 |
宮崎医科大学動物実験施設において維持されている野生齧歯類3科11属22種について、共通の維持方法を開発することを主目的に、特性の開発も行った。飼育方法は基本的にはマウスやラットと共通の環境、器材、飼料を用いて行った。一部の種類(アカネズミ、ヒメネズミ、ヤマネ等)では夜間の室温を5℃低くした。飼育管理は、毎朝室内を清掃し各ケージ内を観察して繁殖・死亡個体の有無を調査した。飼料は週2回固型飼料を与え同時にビタミンE粉末を塗したリンゴ小片とヒマワリの種子およびカナリヤシードを与えた。ケージには巣材として乾燥牧草を入れ2週間毎に交換した。維持に当っては近交系数の上昇を避けるためクローズドコロニーとした。交配は雌雄1対1同居飼育とした。老令個体では新たな交配は食殺が多く困難であった。マウスを用いてホルモン剤を投与したが、処理個体より無処理個体の方がはるかに繁殖成績が良いため実施しなかった。野生では繁殖期の認められる種類でも上述の飼育条件下では周年繁殖する。離乳は生後1ケ月で行い、雌雄を別々のケージに収容し、生後10〜12週令で交配した。野生齧歯類を実験動物として使用するためには特性の開発は必須の条件である。ミラルディアに自然発症する乳癌、セスジネズミ属6種を用いた遺伝子解析による系統進化の研究、各種野生齧歯類を使用した寄生虫感染モデル動物の開発、同じく全種を用いた血液の比較生化学的研究、各種を使用した腎症候性出血熱ウィルス感受性の検索、アゼネズミを使用した日周期活動、繁殖戦略の解明等々多くの共同研究を実施した。特にヨーロッパモリネズミは各種の寄生虫に感受性が高く、一方同じ属のセスジネズミは抗抗性であることが明らかになり、寄生虫感染実験においてラットに代り得ることが判った。ヨーロッパハタネズミは食餌性糖尿病にかかることが判っているのでこの方面の疾患モデル動物として有用であろう。
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