研究概要 |
エンドトキシンの定量はリムルステストが確立する以前にはinviroによる定性的試験を除いてその方法はなかった. またリムルステストもその発度はng/ml程度のエンドトキシンに有効なだけであり, 半定量法としてしか使用できなかった. 本研究ではリムルステストの基本原理が哺乳動物の血液凝固と同様にカスケード様の各ファクターの活性化によるものであり, その最終段階ではペプチド鎮を切断することにより, コアギュロゲンがコアギーソンに変換することに基づき, 合成基質から色素が遊離することを基本に開発さた試薬を用い実験動物の血中エンドトキシンの微量定量を試みた. まず実験動物血中には本反応系を阻害および促進する物質が含まれていることから, それら物質の除去法を検討し, PCAによる除去法が最も再現性の良いことを見い出した. これにより, 実験動物の血中エンドトキシンがpg/mlのレベルで再現性良く定量できることを示した. しかしこの方法では1-3βグルカンによりファクターGの活性化が起こり, 偽陽性例が出ることが他の研究者により示されたので, その影響も除外した方法を試験した. すなわち基準エンドトキシンであるE coli 0111;B4のWestphal法により抽出したLPSを希釈し, その濃度と反応後の吸光度の相関を検した. その結果, ファクターGを除去した方法でも, その相関係数は高く, 非常に良い直線性を示すことなどからエンドトキシンの微量定量に使用できることが明らかとなった. 本研究により実験動物の血中エンドトキシンの微量定量法が確立された.
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