研究分担者 |
松本 寿昭 大妻女子大学, 家政学部・児童学科, 助教授 (00095481)
中村 悦子 大妻女子大学, 家政学部・児童学科, 助教授 (80146315)
八倉巻 和子 大妻女子大学, 家政学部・食物学科, 教授 (60074936)
大場 幸夫 大妻女子大学, 家政学部・児童学科, 教授 (20056378)
千羽 喜代子 大妻女子大学, 家政学部・児童学科, 教授 (90074913)
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研究概要 |
1.鳥海町における生活構造について, 一地域をサンプルとして現地における実態調査を実施し, 家族構成, 生活慣行, 生活集団などの実相に着目した. また, 地域の生活基盤, 消費と貯蓄, 家計構造の面からも現状を捉えた. この結果からは, 家庭生活及び地域生活の双方において, 構造的に不安定な状況におかれている住民の姿を感じ取ることができた. 2.鳥海町の児童の生活を「最適水準」に留意して検討した. 具体的には, 生活意識, 読書指導, 及び食生活問題の三点を取り上げ, 意識調査及び現地における相談指導を実施した. 単に問題の指摘に留まらず, 生活基盤のレベルアップと, 最適水準の保持システムの形成への努力が求められ, そのためには実践研究のネットワークづくりが必要となることが明らかになった. 3.鳥海町の児童の療育相談と, 保育所の療育的役割の検討の双方から, 共に事例を中心として現地における関係者への相談指導を進めてきた. 障害のある子に限らず「早期発見・早期療育」の手当の必要な子どもとその家族に対する特別な配慮は, 地域の援助システムの確立を必要としていることが明らかになった. 以上のように, 実相の把握と, 実践の指導を研究活動の柱として, 本研究を進めてきた結果, 以下の五つの点を, 「家政学の方法論の確立」に対するコメントとして指摘できる. それらは, (1)研究の統合化を探ること, (2)エコロジカルアプローチの検討, (3)研究成果の還元, (4)研究を問うメタ理論の必要性, (5)研究・実践のネットワーク, である. 全体的にみると, 「実験科学」から「野外科学」へと, 研究方法の視点はウエイトを変えつつあることを示唆される.
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