研究概要 |
本研究では、東芝,松下,三菱,日立,三洋,シャープなど各社の二槽式(6種)および全自動(2種)の新水流の洗濯機について、本年度はとくに洗浄効率の面を中心に洗剤を含まない機械作用のみによる効果と、洗剤溶液による効果についてJIS標準洗濯機と比較検討した。併せて使い易さ(洗濯容量,水量・水流の調節,,プログラムの適切さ,操作のしやすさなど)についても検討した。 洗浄効率 JISC-9606の試験法に準じて、人工汚染布を使用し、洗液は0.2%の洗剤溶液と純水とを用い、各洗濯機の標準コースにより30±2℃、10分間の洗濯を浴比をかえて行った。即ち浴比は洗濯機ごとに液量を一定にし、低浴比(1:13〜15)から1:20,25,30の4段階について比較した。 その結果、標準洗濯機では、洗剤を含まない系(機械作用のみの寄与)では、洗浄効率は低浴比(1:15)で最も低く、1:20で最も高い。これに対して洗剤を含む系では、浴比の増大(被洗物重量の減少)とともに1:20,25,30と洗浄効率は次第に上昇し、洗剤の効果が大きくあらわれる。これは水流の異なる8種の洗濯機でも、数値に差はあるが同様の傾向のものが多い。 なお、油性ヨゴレの除去率、繰り返し洗濯による被洗物の損傷劣化の比較については現在実験中である。 使い易さ 表示の見易さ、スイッチの位置・配置,洗濯容量指示の適切さ、排水・脱水性能と操作のしやすさ、二槽式での洗濯槽と脱水槽の容量と使い易さ、付属部分(漂白剤・柔軟剤の抽入口など)の有効性・全行程の所要時間等については、機種により特に操作スイッチの位置・配置・見やすさなどに低抗を感ずるものがあること、低浴比では新水流の特長は発揮され得ないこと、その他多くの問題が見られた。
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