研究課題/領域番号 |
61580081
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | 岡山県立短期大学 |
研究代表者 |
渕上 倫子 (淵上 倫子) 岡山県立短期大学, 助教授 (60079241)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1986年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ペクチン質 / テクスチャー / 食物繊維 / ダイコン / タケノコ / ゴボウ / 加熱調理 / 軟化 / 多糖類 / レンコン / ペクチン / ヘミセルロース |
研究概要 |
野菜の煮熟による軟化の難易とペクチン質およびその他の細胞壁成分との関係についてダイコン、タケノコ、レンコン、ゴボウを用いて検討した。 ダイコンの煮熟による軟化の難易には、煮汁のpHおよびペクチン質の組成の違いが大きな影響を及ぼすことが判明した。希塩酸可溶性ペクチン(pA:エステル化度の高いペクチン)を多く含むほど軟化しやすく、酢酸塩緩衝液可溶性ペクチン(pB:エステル化度の低いペクチン)を多く含むダイコンは軟化しにくかった。中性溶液中で加熱した場合、エステル化度の高いペクチンほどβー脱離により分解しやすいためと思われる。pBは煮熟後もある程度組織中に残存して煮崩れ防止に役立っている。ゴボウ、レンコンがダイコンより軟化しにくいのは、pAよりpBを多く含むためである。これらの野菜を35℃の希塩酸、続いて酢酸塩緩衝液に浸すと、大部分のペクチン質が溶出し組織は軟化した。そのため、これらの野菜のペクチン質はヘミセルロースなどと共有結合により不溶化しているのでなく、おもにカルシウムなどの影響により不溶化していると考えられる。 タケノコは煮熟により軟化しにくく、煮崩れを起こさない。タケノコにはpA、pBが少なく、ヘキサメタリン酸ナトリウム溶液で加熱抽出サレルペクチンpCが約88%を占めていた。同溶液で90℃加熱抽出を3.5時間×14回しても相当硬く、続いて24時間×10回抽出して完全に軟化した。タケノコのpCのエステル化度は低く、中性糖を多く含んでいた。また、他の野菜に比べペクチン質量が少なく、ヘミセルロースを多量に含んでいた。以上の点から、タケノコが煮熟により軟化しにくい原因として、低エステル化度のpcが多いためβー脱離が起きにくいことと、キシロースやβ結合していると考えられるグルコースなどの不溶性の中性糖を多く含むため、pcが煮熟により溶出しにくいことなどが考えられる。
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