研究概要 |
本研究は, 二つの実験から構成されている. その一つは, しょ糖(天然にラベルされた^<13>C-グルコースが含まれている)投与後の40%, 60%, 80%, 100%VO_<2max>の自転車エルゴメーターの運動が外因性糖の代謝に及ぼす影響についてである. 被検者は, 5人の健常な男子学生で, 年齢は20〜24歳である. その結果は以下の通りである. 1)60%VO_<2max>終了30分後の血糖・血清インスリンが, 他の強度の運動に比し最も低値であった. しかし, 運動終了60分後以降の血糖・血清インスリン値は上昇した. 2)外因性糖の燃焼は, 40%, 60%VO_<2max>の運動で著明な増加を示した. 他の一つの実験は, 60%VO_<2max>20分間3セットの運動を, しょ糖投与後に実施し外因性糖の代謝に対する影響を検討している. 被検者は非インスリン依存性糖尿病患者で, 年齢は48〜53歳である. 結果は以下の通りである. 1)血糖・血清インスリン値の減少は, 著明であった. 運動終了後のそれらは60分以後も上昇しなかった. 2)外因性糖の燃焼は, 1セット目の20分間の運動では13.4%を示し, 2セット目では29.4%を示し, 3セット目では47.7%を示した. これら両実験の結果は, 血糖・血清インスリンを低下させるための至適運動処方, 外因性糖燃焼のための至適運動処方は, 60%VO_<2max>20分間3セットの運動であることが示唆された.
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