研究課題/領域番号 |
61580130
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
猪飼 篤 東大, 理学部, 助教授 (50011713)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | アルファ-2-マクログロブリン / オボマクログロブリン / たんぱく質分解酵素阻害剤 / 酵素置換療法 / リソソーム病の治療 / 動的小角散乱 |
研究概要 |
アルファ-2-マクログロブリン族に属するたんぱく質は多くの場合分子内チオール結合を持つ。しかし、その反応性やインヒビター活性に与える効果は分子種によりさまざまである事がわかってきた。本研究では無顎綱に属するヌタウナギのα-マクログロブリンのチオールエステル基の活性とその分子変形に与える効果を調べた。ヌタウナギのα-マクログロブリンはヒトの【α_2】マクログロブリンの半分の大きさであるが、非常に隙間の多い構造をしているので分子の形としての拡がりは大きい。この分子での構造変化はヒトのもの程極端ではないので電子顕微鏡で観察して変化の様子を知る事ができた。またウミガメやワニのオボマクログロブリンが血清のアルファ-マクログロブリンと異なる性質を持つ事を明きらかにした。 ヒトα-マクログロブリンを用いて細胞内にα-ガラクトシダーゼを送りこむシステムを開発した。ヒトα-マクログロブリンをトリプシンの存在下でα-ガラクトシダーゼと混合するとα-ガラクトシダーゼがマクログロブリンに結合する。この複合体をFabry病患者(α-ガラクトシダーゼ欠損症)由来の培養細胞に与えると、細胞は自身の持つα-マクログロブリン受容体を使って複合体をとりこむ。とりこまれた複合体は細胞内でα-ガラクトシダーゼ活性を発現する。この方法は細胞に欠損する酵素を人工的にとりこませる系として利用価値があると思われるので更にいろいろな酵素をとり込むよう開発したい。 α-マクログロブリンの構造と活性の関係ではプロテアーゼ認識部位であるベイト領域のnmrスペクトル解析を行ない、この部分の柔軟な構造特性を明きらかにした。またX線小角散乱の測定を行ない構造変化を時間的に追う実験を行なった。後者については発表は今后構造解析を待って行なう予定である。
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