研究課題/領域番号 |
61580156
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
星野 稔 岡崎共研機, その他, 助手 (50150058)
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研究分担者 |
矢内原 千鶴子 静岡薬科大学, 薬学部, 助教授 (00046252)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | PHI / VIP / 生合成 / TPA / 神経芽細胞腫 |
研究概要 |
ヒト神経芽細胞腫培養細胞系NB-OK-1は、VIPを特異的に産生、放出し、dibutyryl cAMP存在下において特にそれが顕著に促進されることを既に明らかにしているが、更に本細胞系のVIP前駆体cDNA構造解析によりVIP前駆体中にPHI配列が共存することを見出した。この事実はVIPおよびPHIの2つの生理活性ペプチドが生理学的に密接な関係をもつことを示唆するものである。 本研究では、まずVIPならびにPHI関連合成ペプチドを免疫抗原として作製した部位特異抗血清を用い、特異免疫化学的微量測定系を確立し、これによりヒト神経芽細胞腫培養細胞系におけるVIP/PHI関連ペプチドの産生と放出をdibutyryl cAMPと発癌促進物質12-O-tetradecanoyl-13-acetate(TPA)の存在下で追求し、さらにその分子型を検討した。 TPA(0.16nM〜1.6μM)単独存在下ではVIPおよびPHIの産生、放出は対照に比し有意の差を示さなかった。一方、dibutyryl cAMP(1mM)とTPA(0.16μM)共存下ではVIPとPHIの産生、放出はdibutyryl cAMP(1mM)のみの場合に比較し著しく増大した。dibutyryl cAMP添加によりVIP-28およびPHI-27成分の産生、放出は明らかに促進されたが、TPAの共存によってこれら2成分の産生、放出は増大しなかった。dibutyryl cAMPの促進効果を増強するTPAの効果は、VIP/PHIに関連した大分子型分子種の産生を増大するものであった。 本培養細胞系において、VIP-28およびPHI-27が同時に産生されるが、それらは化学量論的ではないことを証明した。さらに、cAMPやTAPによるVIP/PHIの生合成促進効果は必ずしも完全な翻訳後プロセシングの過程にまで及ばず、VIP/PHI関連大分子型ペプチドの生成をより顕著に増大することを明らかにした。
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