研究課題/領域番号 |
61580161
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
堤 賢一 山形大, 医学部, 助手 (40113964)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | アルドラーゼB遺伝子 / ヌクレアーゼ高感受性構造 / 転写制御機構 / 転写制御因子 |
研究概要 |
アルドラーゼB遺伝子の転写は、胎仔初期の肝などでは抑制されており、後半の時期に活性化される。このような転写制御に関与する因子の1つは遺伝子の高次構造(クロマチン構造)であり、転写開始点上流0.3kb付近の特異的な構造(DNase I高感受性構造)の構築が転写活性化に必要であることを示した。次にこのような構造の構築に関与する因子あるいは、それを認識すると思われる転写制御因子の検索を進め、現在以下の結果を得ている。 フィルター法,プロテインブロット法およびDNase Iフットプリント法により、転写開始点上流0.15Kb付近の配列は35kDの蛋白によって認識されることがわかった。この蛋白は肝および、分化型肝癌細胞には存在するが、本遺伝子を発現していない脳や肝癌には存在しない。さらに、胎仔肝の発生過程においては、本遺伝子の活性化に先立って、35kD蛋白の濃度上昇がおこる。この蛋白が認識する配列は、グルココルチコイドレセプターが結合する配列と高いホモロジーをもつ。 脳には、同じDNA領域を認識する95kDの蛋白が存在する。 以上の結果から、35kD蛋白は、正の制御因子と考えられる。本蛋白の認識する部位はDNase I高感受性領域の約0.15Kb下流である。従って、この高感受性構造との関連も考えられるが、その詳しい作用の解析は今後の問題である。 95kD蛋白は、35kDと同じ配列を認識し、負の制御因子と考えたいが、今の所、脳にしか見いだされない。ただ、脳と癌細胞その他では、転写抑制機構が異なっている可能性も否定しがたいので、今後この点に注意しながら実験を進めたい。
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