研究概要 |
ラット血小板からMonoSFPLC,ヘパリンセファロースクロマトグラフィー,【C_4】カラムによる逆相HPLCで純化したHGFはSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分子量85KDに単一バンドを示す。この均一標品を中性条件下で暖和なラクトパーオキシダーゼ法により【^(125)I】化を行った。その結果、HGFは【^(125)I】化されるが、そのHGF活性の大部分が失しなわれ、それとともに初代培養肝細胞あるいは精製肝細胞膜を用いたHGF受容体解析を行ったが、非特異的結合が高く、特異結合を検出することができなかった。これはHGFが69KDと34KDの二種類のサブユニットがジスルフィド結合で構成される大分子量増殖因子であると同時に、熱及び酸処理で容易に失活する不安定なタンパク質に起因する。HGFのように大きな分子できわめて熱に弱い増殖因子を生物活性を失しなわないで【^(125)I】化することは大変困難であると考えられる。したがって、ヨード化の条件をさらに種々検討することにした。さらに暖和なヨード化と考えられるバイオラド社が開発したグルコースオキシダーゼとラクトパーオキシダーゼ不溶化ビーズを用いる方法でHGFをヨード化を行うとHGF活性の保持が比較的良好であった。しかしこの方法でも充分信頼できる程度のHGF受容体への特異結合を得ることができなかった。現在、ボルトン-ハンター法によるヨード化についても試みており、充分特異的にHGF受容体への結合能を持つ【^(125)I】-HGFの調製を工夫している。
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