研究課題/領域番号 |
61580173
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
田口 隆彦 老人総研, その他, 研究員 (80073005)
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研究分担者 |
戸田 年総 財団法人東京都老人総合研究所, 生化学部, 助手 (80133635)
福田 貢 財団法人東京都老人総合研究所, 生化学部, 助手 (30100126)
大橋 望彦 財団法人東京都老人総合研究所, 生化学部, 部長 (50072971)
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研究期間 (年度) |
1987
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | DNAポリメラーゼ / 忠実度 / 老化 / DNA合成 / 校正機構 / 【3^'】→【5^'】エクソヌクレアーゼ / polydA・d(【T_9】・C) |
研究概要 |
遺伝子の恒常的保持は、生命推持に不可欠である。ところが、大腸菌,【T_4】ファージの変異DNAポリメラーゼや原発性腫瘍組織、高齢動物組織からのDNAポリメラーゼは、忠実度が低く鋳型のヌクレオチドに対し非相補的なヌクレオチドを取り込む頻度が高い。このようなDNA上の変異出現に対し、大腸菌等ではDNAポリメラーゼ分子中のエクソヌクレアーゼ活性部位による校正機構が知られている。そこで、大腸菌でみられるような塩基置換変異を修復する校正機構が哺乳類にも存在するか否かの検討を研究目的とした。 通常のヌクレアーゼ活性は[【^3H】〕DNAの分解量で測定した。校正機構に含まれる【3^'】→【5^'】エクソヌクレアーゼ活性は、鋳型としてpolydad(【T_9】・C)を含むDNA合成系を用い、プライマーの【3^'】-OH末端からdCMPを切除し、DNA鎖伸長活性の再開で測定した。 ラット肝粗酵素抽出液より、硫安分画、ホスホセルロースカラムクロマト法、DEAE-セルロースカラムクロマト法等で、3種の【3^'】→【5^'】エクソヌクレアーゼを分離、部分精製した。この中の1種のエクソヌクレアーゼはpolydA・d(【T_9】・C)を含むDNA合成系で、プライマー鎖の【3^'】-OH末端よりdCTPを除き、DNA鎖伸長活性を与える酵素であった。しかし、他の2種のエクソヌクレアーゼは、DNA合成の際、polydA・d(【T_9】・C)にDNA鎖伸長活性の回復を与えなかった。polydA・d(【T_9】・C)にDNA鎖伸長活性を与える【3^'】→【5^'】エクソヌクレアーゼを生後4ヵ月齢と生後26ヵ月齢ラットの肝で比較すると、単位重量当りの活性は、高齢ラット肝では若齢ラット肝の約76%の活性しか認められなかった。 以上より、polydA・d(【T_9】・C)にDNA鎖伸長活性を与える【3^'】→【5^'】エクソヌクレアーゼは、DNA合成での校正に関与するヌクレアーゼと考えられる。またこの酵素活性はラットの加齢に伴い低下しており、高齢ラットでは、校正活性の低下が示唆された。
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