研究課題/領域番号 |
61580188
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近藤 駿介 東大, 工学部, 教授 (90011098)
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研究分担者 |
鷲尾 方一 東京大学, 工学部, 助手 (70158608)
小林 仁 東京大学, 工学部, 助手 (80133099)
大橋 弘忠 東京大学, 工学部, 助教授
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1986年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 自由電子レーザー / ウィグラ磁石 / 自発放射光 / 電子ビーム / エネルギ分散 / エミッタンス |
研究概要 |
東大原子力工学研究施設35MeVライナックで、自由電子レーザー特性に大きな影響を与える電子ビームパラメータの測定を行った。パルス平均のエネルギ分散は約2%であったが、パルス内で時間とともにピーク強度が減少し低エネルギ側にサブピークが成長するなどのスペクトルゆらぎが見られた。ビームダイナミクスを評価するコードを開発して検討した結果、この原因はクライストロン出力の約1%の出力変動にあることが知られた。 周期数10,周期4cmのウィグラ磁石をライナックに設置し、電子ビームから生ずる自由電子レーザー自発放射光のスペクトル測定及び写真撮影を行った。中心が黄で外側にゆくにつれ波長が長くなり赤へ変化するリング状の放射スペクトルが観測された。さらに外側では2倍高調波である青・緑のリングが見られた。スペクトル測定結果は中心波長490nm,半値幅112nmであった。これらの結果を自発放射光発生メカニズムに基づく一様拡がりに加えてエネルギ分散・エミッタンス・磁場精度等に起因する非一様拡がりを考慮して評価し、理論値と良く一致すること及び自由電子レーザー性能の評価において考慮する必要があることを確認した。 粒子シミュレーションに基づく自由電子レーザー解析コードを開発した。これを用いて実際のビームパラメータをとり込んだ発振計算を行い、ビームパラメータの増幅率に与える効果及び立ち上がりから飽和に至る過渡過程の特性を検討した。エネルギ分散の効果は飽和までの時間の増加となってあらわれ、パルス内でレーザー発振させるためには増幅率等の設定にこの過渡過程を考慮する必要のあることが知られた。 以上のとおり、各種の実験・測定及び開発した解析コードによる検討を行い、自由電子レーザーの原子力分野への応用に係る基礎特性とその可能性を明らかにした。
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