研究課題/領域番号 |
61580216
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊谷 泉 東大, 工学部, 助手 (10161689)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | α-ラクトアルブミン / 酵母での分泌発現 / タンパク質工学 |
研究概要 |
昨年度クローニングしたヤギプレα-ラクトアルブミン(α-LA)cDNAクローン(pGLA-1)は、5´-非翻訳領域15塩基対を持ち、mRNAのほぼ全長にあたる構造を含んでいる。本研究ではこのcDNAクローンを利用して主に酵母細胞での発現系の確立を行なった。 1)酵母での発現:pGLA-1のcDNA部分を酵母発現プラスミッドであるpAM82の酸性ホスファターゼプロモーターの下流に挿入し、酵母 Saccha-romyces cerevisiae pep5C株に導入した。この酵母形質転換体を低リン酸合成培地中で培養しα-LAの発現の有無を、α-LA特異抗体を用いる酵素抗体法で検討した。発現したα-LAは、培地、ペリプラズム分画及び細胞内にほぼ等量づつ存在し、全体で約400μs/lの発現量であった。培地及びペリプラズム分画に分泌されていたことより、動物細胞由来のプレα-LAのシグナルプペチドが酵母においても認識されることが示唆された。発現したα-LAは、培地及びペリプラズム分画から、α-LA特異抗体を固定化した抗体カラムにより、ほぼ均一なまでに精製できた。精製標品はSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で標準α-LAとほぼ同じ移動度を示し、このα-LAが酵母より分泌される時に正しいプロセシングが起っていることが示唆された。 2)大腸菌での発現:大量発現の系として大腸菌での発現系の確立を目指した。pGLA-1のcDNA部分を大腸菌発現ベクターであるpKK-223-3のtacプロモーターの下流に挿入した。合成DNAを用いる欠失変異により、cDNAの5´-非翻訳領域及びシグナルペプチド部分を除き、tacプロモーターのリボソーム結合部位から翻訳開始コドンATGまでの距離を8塩基に調節した発現プラスミッドを構築した。現在このプラスミッドを用いて大腸菌での発現を試みている。
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