研究課題/領域番号 |
61580235
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体物性学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 祐次 阪大, 蛋白質研究所, 助手 (20127228)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 核磁気共鳴(NMR) / 核オーバーハウザー効果(NOE) / 高次構造 / ディスタンスジオメトリー法 / アンジオテンシン変換阻害剤アンコベニン / 心房性ナトリウム利尿ポリペプチド(hANP) |
研究概要 |
蛋白質およびモデルペプチドの溶液中での構造解析の手法を開発中であるが、本年度は先に行った核磁気共鳴吸収(NMR)測定とディスタンスジオメトリー法の組合せによる手法を更に発展させることが出来た。NMRより核オーバーハウザー効果(NOE)を測定し、分子内の原子間距離の情報を取り出すが、この際それぞれの吸収ピークを個々の原子核に帰属しなければならない。従来の二次元NMR法ではスペクトルの位相の情報を利用することが出来ず、各ピークの分離がよくなくて大きい分子になるとピークの重なりが生じた。このため全ピークの帰属の可能であったのはアミノ酸13残基のコノトキシンと14残基のエンテロトキシン(Sth)のみであった。今回は二次元の測定法に改良を加え位相検知の可能なシフト相関法(COSY),NOE相関法(NOESY)を用いることを試み、ピークの分離に飛躍的な改善をみた。また最近報告されはじめた多数の共有結合を通してスピン相関を観測できるリレーシフト相関法(RELAY-COSY)の適用条件の検討も行った。このような測定法の改良により、今まで不可能であった水溶液中でのNOE測定を可能とし、残基数18のアンジオテンシン変換酵素阻害剤アンコベニンのNMR解析を水溶液中で行った。さらに分離能が上ったことにより残基数28の心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)のNMR解析も行えた。これらの実験結果をディスタジオンスメトリー法で解析するが、我々の二面角空間におけるターゲット関数の極小化を用いるDADAS法に改良を加え、今まで考慮できなかったスピン-スピン結合定数をも三次元構造構築の情報として用いることが出来るようにした。この改良されたプログラムを用いて上記2つのペプチドの構造解析を大型計算機により行ったが、本年度補助金で購入した分子モデルはその結果の考察に際して重要な手助けとなっった。
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