研究概要 |
本研究の目的は, これまでほとんど開発されていなかった「植物の成長と形態形成」に関する高校レベルに適した生徒実験を開発することであった. 2年間にわたる研究成果は, 次のようである. 1.植物ホルモンの作用に関する実験開発:サイトカイニンが黄化したキュウリの子葉の緑化と肥大成長を促進することを確かめる実験と熟した果実からエチレンが発生し, それが落葉をひきおこすことを確かめる実験を開発した. 2.植物の運動に関する実験開発:オジギソウとヒネムの葉の小葉の就眠運動(開閉運動)とそれに及ぼす光の質(特に赤色光と近赤外光)の影響を調べる実験を開発し, ヒネムを用いて生徒実験を試行してみた. 試行の結果は成功であった. 3.光形態形成に関する実験開発:種子の光発芽や光による器官形成などの実験に用いるための光源をくふうするとともに, それを用いて光形態形成の実験を開発した. ギシギシ種子の発芽(光発芽)条件を調べる実験とインゲンアメ黄化芽生えの上胚軸の立ちあがりと葉の展開の条件を調べる実験である. 4.種子の発芽に関する実験開発:種子の発芽に光も影響を及ぼしていることを確かめる実験を開発し, 生徒実験を試行し, テキストや教師用マニュアルを修正した. また, 実験に用いる種子の検討および実験条件の検討も行った. この成果の一部は, 論文として発表した.
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