研究概要 |
理科の「応用」・「高次の過程・「実験観察の技能」の3つの目標領域での児童・生徒の到達度と科学的な態度との関連を調べること, また, 上の3つの目標領域の成績が15年前に比べてどうなっているかを調べることが主目的であった. 調査の対象は小学校4年の児童と中学校2年の生徒それぞれ1500人とし, 20の都道府県から選んだ. また, 調査は昭和62年2〜3月に実施した. その結果, 主に次のようなことがわかった. (1)理科の成績と児童・生徒の背景に関する質問紙項目との関連をみると, 「将来の進学計画(希望)」(中学校)との相関がかなり高く, 自己評価による「理科の成績」, 「数学(算数)の成績」, 「家庭の蔵書数」などとの相関も小・中学校ともに高い. 」 (2)理科の成績と学習に関する質問紙項目との関連をみると, 小学校では, 「教科書の使用」, 「楽しい理科の授業」, 「理科の試験」, 「児童実験」および「グループ実験」などが相関があり, 中学校では, 「理科の試験」, 「グループ実験」などが相関がある. (3)小学校の理科の成績と態度尺度との関連をみると, 総得点および目標領域などの部分得点と「学校に対する好悪」の尺度との相関がかなり高く, 「科学に対する価値観」尺度との相関は低い. また, 中学校では, 「理科への興味尺度」との相関が高く, 「科学的職業に対する好悪」尺度との相関が低い. (4)理科の成績について15年前と比べると, 小学校では「応用」, 「高次の過程」のそれぞれの目標領域でも, これらの全体でも変化がない. また, 中学校では「応用」, 「高次の過程」, 「実験」のそれぞれの目標領域でもこれらの全体でも変化がない.
|