研究課題/領域番号 |
61840014
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
赤坂 一之 京都大学, 理学部, 助教授 (50025368)
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研究分担者 |
今成 司 日本電子株式会社, NMG応用研究室, 室長
中谷 博 京都大学, 農学部, 助手 (00026577)
内藤 晶 京都大学, 理学部, 助手 (80172245)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
22,800千円 (直接経費: 22,800千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1986年度: 13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
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キーワード | 温度ジャンプNMR / 生体高分子の相転移 / タンパク質の巻き戻り / タンパク質高次構造の崩れ / RNase A / NMR / 温度ジャンプ / 相転移 |
研究概要 |
1.昨年度、一応の完成を見た高速ガス吹きつけ方式による温度ジャンプNMR装置にさらに改良を加えた。この装置では、温度ジャンプ速度を速めるために、その途中に極端温度のガスを一定時間導入するが、このガス圧を高めるため、今年度はこれに圧縮N_2ガスを使用し、これらコンピューターで制御できるよう新たに電磁弁とインターフェイスを追加した。 2.改良したNMR温度ジャンプ装置を用いて、溶液中のタンパク質RNase Aの相転移過程を研究した。25℃でほぼ完全な秩序構造をもつRNase Aについて、25℃から41℃へと急激に(10秒以内)に温度をジャンプさせた後、5秒毎にNMR信号をサンプリングし、温度サイクルを繰り返してこれを積算した。この結果、41℃でRNase Aの高次構造が刻々崩れていく過程を追跡することができた。NMRによってタンパク質の可逆的な構造崩壊過程が追跡できたのは初めてであり、今後の詳細な研究成果が期待される。 3.より高速での温度ジャンプを実現するために新しい試みとして、マイクロウェーブによる温度ジャンプを試みた。マグネトロンで発生した2.45GHzのマイクロ波を同軸ケーブルに変換し、それを1ターンのラジオ波コイルに接続して、このコイルによってガラス管中を一定の流速で流れる水を温め、その温度上昇を観測した。その結果、マイクロ波総出力のおよそ30%が水溶液試料の温度上昇に使われる条件を見出した。これにより、1秒以内の高速温度ジャンプの可能性が開かれたので今後、これを組み込んだ新しいプローブ(検出器)を完成させ、新たな方式による高速温度ジャンプNMR装置も試作する予定である。
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