研究分担者 |
梅沢 道春 日油技研工業株式会社, 設計グループ長
竹沢 信 環境計測システム株式会社, 企画室長
室住 正世 室蘭工業大学, 教授 (50002811)
中井 俊介 東京大学, 海洋研究所, 講師 (90114579)
酒井 均 東京大学, 海洋研究, 教授 (00033126)
TAKEZAWA Makoto Kankyo Keisoku System Co.Ltd
UMEZAWA Michiharu Nichiyu Giken Kogyo Co. Ltd.
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研究概要 |
海底熱水系の化学的探査を目的として, 本装置の開発をハードとソフトの両面から行った. ソフトに関しては, テープに収納されているCTDによる水温, 塩分の探査データを再現して, 真の水温異常を見付けるコンピュータソフトを開発し, 実際に船上でReal Timeで解析できるようにした. また熱水研究の現状の調査を行い, それらを装置の設計や使用方法に反映させるようにした. ハードに関しては, 大きく4つのステップに分けられる. 1)採水器の型状や深海ポンプの能力テストを含む基礎資料の蒐集と基本設計, 2)バラックセットによる現場テスト, これにより基本設計の再検討を行った. 3)テフロン採水器の構造を大巾に変更し, CTD, ピンガー, トランスポンダーおよびRMSの即時応答システムをフレームに組込みほぼ完成したシステムを作った. 以上を61年度に実施した. このシステムを62年5〜6月, 白鳳丸航海で沖縄トラフにおいて使用した. このシステムは原理的にも構造的にも大きな難点はなく, また海底に着底したことが2回あったが何れもフレームで衡激による事故を防ぐことができた. しかし, 繰返し使用に対してバルブ機構が弱いこと, RMSをそのまま使ったために採水器の着脱や, トリガーのからくりがなお複雑であることなど, 種々の問題点が抽出された. そこで, 4)RMSの水中配列器部分の改造, バルブ回転軸の構造の変更, バルブ口径を大きくするなどの改良を加えた. この改良型を62年11月および63年2月の淡青丸航海で試用した. 改良前のものは製作者グループにしか使えなかったが, 改良型はかなり使いよいものとなった. 原理を理解し, かつCTDや採水器の使用に習熟している者であれば誰にでも使えるようになったと言える. また, 深海ポンプによる置換採水も1分以内で完了することが確かめられた. 本装置は初期の目的である海底熱水系の化学的深査に十分役立つものと考える.
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