研究課題/領域番号 |
61850002
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
国府田 隆夫 東京大学, 工学部, 教授 (50010715)
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研究分担者 |
石川 謙 東京大学, 工学部, 教務職員 (10176159)
岩佐 義宏 東京大学, 工学部, 助手 (20184864)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1988年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1987年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1986年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 有機高分子 / 薄膜素子 / 光クロミズム / 光情報記録 / 有機薄膜 / 高分子 / 光エレクトロニクス材料 / 電導性高分子 |
研究概要 |
本研究の目的は、従来にない新しいタイプの高密度・高速の光情報記録材料として、有機共役系高分子ポリジアセチレン(以下PDAと略記)の光異性化を利用した薄膜素子を試作開発し、その実用化に必要とされる基礎的な知見を蓄積することにあった。その第一の要件は、高い品質をもった大面積のPDA薄膜の作製技術を確立することであった。そのため合成化学専門グループ(東大工・長谷川研究室)の協力により、各種の側鎖置換基をもったジアセチレン・モノマー物質を合成し、これらについて組織的な研究を行った結果、真空蒸着法による成膜化が可能な一連のモノマー物質を見出すことができた。この方法によって得られたPDA薄膜は、作製法の容易さ、膜の高品質性と大面積性など多くの点で、ラングミュア・ブロジェット法などの従来の成膜技術にくらべて優れた特徴をもっている。さらに簡単な処理により膜内の高分子主鎖配列に高い方向性を与えることが可能であることが確められた。このPDA膜について種々な条件下での光クロミズム特性を詳しく評価した。青色相から赤色相への光相変化効率の光波長、光強度依存性、パルス光照射による過渡特性を測定した結果、この色相変化が電子励起過程によるフォトン・モードにより支配的な影響を受けていることが結論された。その高速応答性(10ns以下)、高分解能性(数μm以下)から、光情報記録材料としてきわめて有用な特徴をもつことが確められた。その波長特性から光相変化機構に電子注入過程が関与していることが推測され、この予測に基づいて有機色素(金属フタロシアニン)による増感効果を調べた結果、近赤外域で顕著な増感作用を示すPDA-有機色素二重膜を開発することができた。これは半導体レーザーを光源とする光情報記録素子の開発に有用な知見である。さらに可逆的色相変化の可能性を詳しく検討した。
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