研究概要 |
イオンビームにより誘起される固体表面での化学効果を利用して電子デバイス製作に必要な薄膜パターンを直接マスクレスで形成する方法を開発するためにマスクレスデポジション装置を試作し, 以下の成果を得た. 1.マスクレスデポジション装置の試作とイオンビーム誘起化学効果のその場観測 高真空試料照射室およびガス導入系を持つ集束イオンビーム装置に, 瞬間マルチ測光装置, ラマン測定装置, 質量分析器を組合わせ, イオン照射によるガスの解離脱離吸着発光などの化学効果と生成薄膜のその場測定のできるマスクレスデポジション装置を完成した. この装置を用いて, 高融点金属薄膜のマスクレスデ ポジション特性を調べ, イオン種, イオンエネルギーおよび照射温度等のパラメーターの最適化を行った. 2.形成膜の評価 形成膜の組成, 導電率, X線吸収率, およびそれ等の特性改良, 熱処理による変化を調べ, 膜質を最適化した. 3.マクレスプロセスによる超微細パターンの形成と応用 電極および配線用金属パターンの形成, X線およびイオンビーム電光マスクの試作, マスクパターンのレジストへの転写等を行い本装置の実用性を実証した. 4.レーザービーム誘起化学プロセスとの比較検討 イオンビーム誘起化学反応プロセスとレーザービーム誘起化学反応プロセスの比較検討を行い, 特にイオンビームプロセスによる薄膜形成プロセスの優位性を実証した.
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