研究分担者 |
平尾 明洋 ミネベア(株), 技術管理室, 室長
川原 正言 日本鋼管(株), 中央研究所, 部長
武藤 睦治 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00107137)
上野 学 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70134963)
HRAO Akihiro Manager of MMB Corporation
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研究概要 |
大気中高温ころがり疲労試験機, ころがり損傷形状自動計測装置および真空高温ころがり疲労試験機を設計・試作した. これらを用いて, セラミックスのころがり疲労特性を調べた. 得られた結果は要約すると以下の通りである. (1)窒化けい素は大気中室温で軸受鋼より長寿命で, 最大ヘルツ応力2.7Gpaにおいて10^6サイクル以上の寿命を示した. 高温(500°C)における寿命は室温の場合と同程度がせいぜい1オーダ低下するに留まっていた. このように, 窒化けい素は高温・無潤滑のような過酷な条件下での軸受材料として大きな可能性を有することがわかった. (2)セラミックスころがり摩擦損傷は微小であり, その形状測定には自動計測が不可避であるが, 試作した測定装置は十分な精度でそれが可能であった. 摩耗量測定結果によると, 一回転当りの摩耗量は最大ヘルツ応力の増大, 試験温度の上昇により増加しており, その傾向はころがり疲労寿命の低下とも対応している. また, 摩耗損傷は寿命に集中したり, 寿命末期に急速に進行したりすることなく, 繰返しとともに徐々に進行していた. (3)試作した真空高温ころがり疲労試験機は基本的には大気中高温ころがり疲労試験機と同様の3球式スラスト型である. 真空排気には清浄度の高い高真空が得られるようターボ分子ポンプを用い, 回転軸のシールには磁気シールを用いた. また, 発熱体にはモリブデンを用いた. このようにして, 真空度10^<-7>Torr, 試験温度1600°Cまでの過酷環境下での試験が可能な高性能試験機を製作することができた.
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