研究分担者 |
佐賀 徹雄 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30013220)
山川 正剛 (株)日立製作所, エネルギ研究所, 主任研究員
荒川 忠一 東京大学, 工学部, 助教授 (30134472)
坂内 正夫 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30107370)
YAMAKAWA Masanori Energy Reserch Laboratory, Hitachi, Ltd. Researcher
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研究概要 |
複数トレーサの流跡写真にディジタル画像処理の技術を適用し流れ場の自動解析を図る場合には, 流れ方向を自動的に知るための工夫, 重なり合う流跡・流脈を除去あるいは分離するための工夫や異なる画面における同一粒子の対応づけを行なうための工夫が特に重要である. この研究ではこれらの問題点に対処するため, 電気的に同期させた3台のカメラを用いて流跡の始点・終点を判別する方法(始点・終点・流跡独立撮影法), および光源に工夫を加え1台のカメラによって流跡の始点・終点に濃度差を与える方法(始点強調撮影法)を提案し, そのアルゴリズムを考案・構成した. 次に流跡の輪郭の形状を表わす指数を導入し, この形状指数の評価によって流跡同士の重なり合いの有無を識別し, 重なり合う流跡情報の除外分離を行なうプログラムを開発した. 続いて, トレーサ粒子の流跡を利用することによって, あるいは運動軌跡を予測することによって粒子の対応づけを実行するアルゴリズムを実現した. さらに, このプログラムを発展させTVカメラの利用によってオンライン処理機能を, ステレオ写真法の併用によって三次元処理機能をもたせることに成功した. これらの成果を統合し, 得られた速度ベクトルから流線, 速度分布, うず度分布などの流体力学的諸量へ変換するプログラムを付加し, 流れの可視化画像(流跡写真情報)から流れ場の定量的解析が自動的に行なえる全体プログラムを構成した. このシステムのもつ特徴は(1)非定常・三次元流れ場に適用することができること, (2)処理が自動化されており無人計測が可能であること, (3)1画面に約400〜500個という多数のトレーサ粒子が含まれている画像を処理できること, (4)順流・逆流が混在する流れ場であっても人間の判断なしに処理できること, (5)重なりあう流跡を除去あるいは区別できること, (6)得られる速度情報を数値処理し様々の流体量として表示することが可能であることである.
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