研究分担者 |
岡田 三郎 中国工業技術試験所, 機械金属部システム工学研究室, 主任研究官
住本 哲宏 中国工業技術試験所, 機械金属部システム工学研究室, 室長
西田 恵哉 広島大学, 工学部, 助手 (90156076)
新井 雅隆 広島大学, 工学部, 助教授 (80112176)
SUMIMOTO Tetsuhiro Government Industrial Research Institute, Chugoku
|
研究概要 |
ディーゼル燃焼のシミュレーションプログラムを開発していくうえで重要な噴霧の蒸発, 混合気形成過程に関する知見を得るため, 本試験研究で購入した汎用画像処理システムと独自に開発した噴霧のシュリーレン写真とシャドウグラフの画像解析プログラムを使用して, 噴霧内の燃焼蒸気濃度の定量化解析を行った. さらに, この画像解析プログラムにコンピュータティッドトモグラフィ(CT)のアルゴリズムを導入することにより, 横風を受けて流される噴霧の断面構造の解明や燃料液滴群と蒸気の分布の分離計測を行った. 以上の解析により得られた知見をもとにディーゼル燃焼のシミュレーションプログラムを構成するサブプログラムである空気流動プログラムおよび混合気形成・燃焼プログラムの開発, 改良を行った. 空気流動プログラムでは圧縮行程終期の燃料噴射直前の旋回流を予測することに主眼を置き, 現状の計算機による計算コストと計算精度のバランスを考慮して, 燃料室内を二つの領域に分割しそれぞれの領域の旋回角速度を求めることとした. 混合気形成・燃焼プログラムでは旋回流の強さと混合気形成のマッチング, 特にオーバースワール現象の予測を行うことに主眼を置いた. 燃料蒸気が燃焼室内を拡散していく過程を保存方程式を数値的に解くことにより三次元的に求め, 着火後は温度分布, 燃焼生成物濃度の分布も求めることができるものとした. これらのプログラムの計算結果をレーザドップラ流速計による機関内旋回流の角速度の測定結果や燃焼写真による火炎の分布形状などと比較したところ, ほぼ良好な一致が得られた. 今後はディーゼル燃焼シミュレーションプログラムとしての定量的評価, 検討を, 種々の機関の性能測定結果等と比較することにより, 行っていく計画である.
|