研究分担者 |
森田 公 富士電機総合研究所, 機器開発部, 部長
作田 忠裕 名古屋大学, 工学部, 助手 (80135318)
松村 年郎 名古屋大学, 工学部, 講師 (90126904)
TADASHI MORITA Fuji Electric Corporate Research and Developemtn LTD., Director
|
研究概要 |
本試験研究は, 近年金属材料分野で注目されている粉末治金法の原材料ともいうべき各種金属の微粉末を高効率でしかも経済的に生成するとともに, 電気エネルギーの次世代における新しい利用法の開拓を目的として始まった. 2年間にわたる研究の結果, 粒子のサイズおよび生成速度を制御できる高効率な金属微粒子の直接生成が, アークプラズマの高温と超音波による力学的振動とを試料インゴットに同時に作用させることにより可能であることを確認した. その意味では設備備品としての超音波発振装置ならびにアークプラズマ点弧用直流電源は有効に活用できた. 以下, 本試験研究で得られた主要な結果を要約する. 1.金属微粒子の生成速度はアークプラズマの維持電流を増加することにより早めることができる. 銅, 鉄およびチタンインゴットを用いた実験では, アーク電流35Aで6から15g/mnの微粒子生成速度が得られた. 2.本手法では生成される微粒子の平均直径は印加する超音波の振動周波数を変えることによって制御できる. たとえば, 鉄では15KHzで平均粒子サイズ約90μm, 28KHzで44μmであり, 超音波数にほぼ反比例して粒子サイズを減少させることができる. このことは銅, チタンでも確認できた. 3.走査電子顕微鏡による観察の結果, 本手法で生成された微粒子は, 銅, 鉄, チタンのいずれの金属についても, その形状はほぼ真円に近い球状でありしかもその表面は大きな構造的欠陥もなく滑らかであることが確認できた. 4.微粒子生成装置の形態としては, 本質的には可動部分がない静止形の熱プラズマ炉であり, この点が従来の回転電極法との大きな相違である. したがってそうちの大容量化, 実用化に際して有利であり, 作業安全性も高い. 今後の課題としては, アーク電流を数100Aレベルにまで上げ, 微粒子生成速度の向上を図ることである.
|