研究分担者 |
清水 泰式 (清水 泰弍) 長崎大学, 工学部, 助手 (60039667)
福永 博俊 長崎大学, 工学部, 助教授 (10136533)
寺田 弘 中部大学, 工学部, 講師
加藤 章 中部大学, 工学部, 助教授 (00113085)
SHIMIZU Yasukazu Research Assistant, Faculty of Engineering, NAGASAKI UNIVERSITY
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研究概要 |
Ndx Fe100-(X+Y)By(13.5≦X≦18.5≦Y≦10)非晶質薄帯を瞬時結晶化技術により結晶化し, 高性能磁石を得るための組成条件, 保磁力の発生機構を明らかにするとともに, 他の方法で得られた磁力との比較検討を行なった. その結果を要約すると, (1)非晶質薄帯は瞬時結晶化によりサブμmの微細組織を有する結晶質薄帯(以後結晶化磁石と称する)となる. (2)結晶化磁石中に析出する強磁性相はNd_2Fe_<14>B(主相)と少量のα-Feであるが, α-Feは保磁力には影響しない. 大きな保磁力を得るにはNdリッチ相が必要である. (3)このため, Nd量の減少は結晶化磁石の保磁力を減少させるが, B量はあまり影響しない. (4)20KOe程度の着磁磁界では大きな(BH)maxはX=15, Y=10付近で得られるが, より大きな着磁磁界の際にはより低B領域で大きな(BH)maxが得られると期待される. (5)結晶化磁石中のNd_2Fe_<14>B粒子は単磁区径より大きく, 粒子内に磁壁が存在し得る. また, この磁壁は粒内ではほとんどpinされず自由に移動する. この結果, 結晶化磁石はいわゆるニュークリエーション支配型の硬質磁気特性を示す. (6)結晶化磁石の保磁力発生機構は本質的には焼結磁石のそれと同一であると推定される. 従がって, 結晶化磁石の大きな保磁力はこの磁石が無配向であることと粒界状態が異なることにあると考えられるが, 今後なお詳細な検討が必要である.
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