研究分担者 |
寺島 正義 刈谷病院, 精神科, 医局長
太田 龍朗 名古屋大学, 医学部, 講師 (00109323)
岡田 保 名古屋大学, 医療短期大学, 教授 (00023771)
岩田 彰 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10093098)
鈴村 宣夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (10023102)
TERASHIMA Masayoshi Kariya Hospitals,Psychiarry Section
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研究概要 |
人間の意識水準や精神活動の客観的な計測のために, 人間の脳の表面からの脳波活動がきわめて重要な情報を含んでいる. 本研究ではまず, 従来の脳波処理のための問題点をとりあげ, 計算機向きの処理方式の確立を目的とし情報処理における基礎的な検討を行って来た. 脳波活動は電気的にはアナログ量の時間変化で表わされるが, 脳波活動を反映する周波数帯域の特徴的な波形としてとらえることが重要と見た. このため, 新しい脳波波形のコンピュータ認識法(波形認識法)を提案し, この方法を用いて高速な脳波処理を行って来た. 特に一晩の終夜脳波では, データ数が膨大となるため, 情報論のサンプリング定理を基礎として, 波形補間関数を導入し, その上で波形のピークとボトム値を計測する方法を提案し, 脳波処理にきわめて有効であることを明らかにした. これらの研究は研究代表者の学会誌論文の主体を測る「生体信号の計測・処理ソフトフェア」にはじまり, 「脳波分析における波形認識法の検討」, 「終夜睡眠脳波における睡眠紡錘波の特徴抽出」, 「睡眠紡錘波の周波数解析における計測手法の検討」, 「A Method of lnterpolation for Sleep Spindle」等に研究成果を述べている. 次に脳波活動の生成が非線形的であることを明らかにする研究を行なうため, 鯉の小脳から電気刺激による応答をとり出す実験を行った. ここでは電気的活動にダイポールモデルをあてはめ非線形成分について検討を行った. さらに脳波活動の非線形処理を特徴づけるため, システム論から見た非線形処理方法論を確立することである. 本研究では生体系ブラックボックスがいかなる線形性と非線形性の組み合せから構成されるという, 同定の方法論を, あらたに提案した. また生体の非線形性をコンピュータと対話により明らかにする方法論を新たに提案し, これを学会論文誌「非線形系設計支援システムとシミュレーション」に掲載した. しかし統合処理の問題も今後検討を加える.
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