研究分担者 |
西川 博昭 大阪大学, 工学部, 助手 (60180593)
笹尾 勤 大阪大学, 工学部, 助手 (20112013)
浅田 勝彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (10029093)
HIKOAKI NI@sHIKAWA Resrarch Associate, Faculty of Engineering, Osaka University
KATSUHIKO ASADA Associate Professor, Faculty of Engineering, Osaka University
TSUTOMU SASAo Research Associate, Faculty of Engineering, Osaka University
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研究概要 |
本研究は, いわゆるソフトウェア危機を克服するための, プログラムの了解性と検証性の向上と同時に, このようなソフトウェア体系を実行するULSI向きのハードウェア構成を確立することを目標として開始された. これらの目的を達成するためにまず, 第一のソフトウェアの了解性・検証性を向上するために, 1.高い了解性と厳密な検証性を兼ね備えた言語体系の基礎として, データ駆動原理を基礎とする図的中間言語を提案し, さらにこれを履歴依存性を含む処理に拡張して, 定式化した. 〔文献1,2,および4参照〕 更に, この中間言語のハードウェア上での実行制御方式として, 流れ形処理方式の概念を提案し, 2.上記の中間言語のハードウェア実現に要する全ての機能が, ULSIチップ上の素子数を最大限に活用しかつその動作速度への外因的阻害要因を極小化する, 自己同期形パイプラインによって構成可能なことを示した. 〔文献2,3および5参照〕 以上のように, ソフトウェアおよびハードウェア両面にわたる, 新しい統一的なシステム思想を導入した結果, 履歴依存処理を含む, 一般的な情報処理を可能とするデータ駆動形プロセッサが, 1チップで実現でき, 従来形のプロセッサに比べて, 非常に高い処理能力を示すことを実証した. このようなULSIチップは, 1チップでも効果的であるが, いわゆるマルチチップ構成においてプログラムを分散配置すれば, さらに非常に高い処理能力の実現が期待される. このプログラムの分散配置に関しても, データ駆動原理を基礎とする中間言語は, 従来の副作用を持つ言語に比べ, 非常に優れた特性を示すことが既に確認されており, 今後はこの問題について集中的に研究を進めたいと考えている.
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