研究概要 |
本研究は, 複数の入力画像を処理して, 視野内の距離画像を算出する方式の高速化を目ざし, 実時間3次元ビジョンの確立を目的として, 以下の研究を行った. 1.実時間ビジョンシミュレーションシステム, 種々の方式の3次元ビジョンの開発研究を行うため, 画像プロセッサTOSP1×2とワークステーションSUN3をバス直結したシステムを試作し, 高速に画像の特徴抽出・対応発見の処理を可能にした. 2.多重画像の対応発見の高速化 (1)受動ステレオの高速化のため, 線分ベースステレオに競合行列を利用する方式を開発した. (2)3眼視による対応発見を開発し, エピポーラ線上の探索の高速化, 線分情報の利用による偽対応除去の方式を開発した. 3.外界の拘束条件の利用 (1)床面移動ロボットの視覚を例に, 環境知識を利用する対応発見方式を開発し, 簡単なシステムで実時間処理を可能にした. (2)縞パターンを投光し, 光の傾きから3次元形状を実時間で算定できる方式を開発した. (3)不規則パターンを投光し, 領域対応を高速に行う方式を開発した. 4.連続画像の対応発見の高速化 移動しながら観測する画像列に対して, 直接世界モデルに写影して対応を決定し, 自律的に座標系の切替えを行いながら3次元情報の取得と世界モデルの作成を一体化する方式を開発した. 5.距離画像の並列処理 一般化ハフ変換を利用して多数のプロセッサが投票を行い, 距離画像から物体認識を高速に行う方式を開発した. 6.各方式の比較と実時間ビジョンの提案 上記各システムの情報と用途の比較検討を行い, 実時間システムのアーキテクチャを提案した. 今後は, これら方式の併用の検討を行う.
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