研究分担者 |
片山 進 日本海洋掘削(株), 企画開発部, 副部長
片山 正敏 三菱重工業(株), 広島研究所・海洋土木研究室, 主査
吉田 宏一郎 東京大学, 工学部, 教授 (90010694)
藤久保 昌彦 広島大学, 工学部, 助手 (30156848)
信川 寿 広島大学, 工学部, 助教授 (60034344)
KATAYAMA Masatoshi Mitubishi Heavy Industries, Ltd., Hiroshima Laboratory, Assistant chief research
肥後 靖 広島大学, 工学部, 助手 (20156582)
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研究概要 |
本研究では, 自己昇降式プラットホームの着離底時の脚部衝撃力と操業限界基準に関する実験および理論解析を行ない, 以下の結果を得た. (1)模型プラットホームの波浪中動揺試験より, 鉛直地盤衝撃力と脚上端の曲げモーメントの発生機構と波長, 波高及び地盤剛性の変化に対する応答特性を調べた. 衝撃力は液上側が大きくまず衝突開始後鉛直衝撃力が作用する. 次に鉛直衝撃力による波下側への回転変位及び回転加速度に起因して2次元的に曲げモーメントが生じる. 曲げモーメントは離底時あるいは脚下端が滑り出す直前付近で最大となる. 鉛直衝撃力は地盤剛性のほぼ平方根に比例するが, 曲げモーメントは地盤剛性の影響を余り受けない. (2)主船体を剛体, 脚を弾性体とする運動並びに衝撃力を応答解析法を開発し, 実験結果との比較よりその精度と確認すると共に, 優れた計算効率を示した. (3)模型プラットホームの応答解析より, 脚と地盤のクリアランスの変化に伴なう衝撃力の変化や, 衝突時の運動およびポテンシャルエネルギーの援受関係を調べた. また従来提案されている衝撃力の簡易推定法の推定精度と合理性を考察した. 鉛直衝撃力は衝突前のプラットホームの運動エネルギーが, 地盤の歪エネルギーとプラットホームのポテンシャルエネルギーとに吸収されるエネルギー授受関係の下で生じる. 衝突前後の運動エネルギーの変化に着目した服部らの鉛直衝撃力の簡易推定法はこの意味で非常に合理的であり, また推定値は, 本研究の時刻歴解析結果と良く一致する. 衝突前の運動エネルギーが脚の曲げ歪エネルギーに吸収されるとするD_nVの曲げモーメントの推定法は, 上記エネルギーの援受関係と合致せず, 衝撃力を過大推定する. (4)実機の応答解析を基に, 鉛直衝撃力と曲げモーメントによりジャッキングユニットに生じる荷重を明らかにし, ピニオンの定格容量を基に, 着離底作業基準を限界波高の形で示した.
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