研究分担者 |
江見 晋 阪神高速道路公団, 工務部, 設計課長
杉戸 真太 京都大学, 工学部, 助手 (60115863)
古田 均 京都大学, 工学部, 講師 (70109031)
黒田 勝彦 京都大学, 工学部, 助教授 (20026157)
後藤 尚男 Faculty of Engineering, Kyoto Univ., Professor (00025793)
EMI Susumu Hanshin Express Road, Branch of Design and Construction
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研究概要 |
都市高速道路は, 大都市圏における自動車交通の基幹ネットワークを形成しており, 都市活動の高度化・広域化とともに, なお新たな路線の建設が必要とされている. 一方, 首都圏および阪神圏における既存の路線では, 最初の開通から約20年が経過し, 床版のひびわれ, 鋼桁の疲労てどの損傷が顕在化するとともに, 維持・補修のための経費が初期建設費と比較して無視できない問題となっている. こうした問題は, その間の交通量の増加や貨物車の設計体系に耐用寿命の概念が明確な形でとりいれられていなかった点が指摘されるべきであろう. この意味で, 今後とも優秀な都市高速道路の建設を進めるためには, その建設・併用を含むライフサイクル全体を見通した合理的な設計基準を策定することは, 重要な工学的課題と考えられる. このような観点から, 本研究では都市高速道路構造物の設計体系を耐用寿命の観点から再検討し, 最適な設計基準を得るための方法論の確立とその定式化について検討した. 従来の都市高速道路構造物の設計体系は, 最大荷重に対する耐荷力を基礎として組み立てられているが, 本研究においては耐用寿命の概念を組み込むことによって物理的には構造各部の安全性をよりバランスのとれたものとし, 経済的には供用期間中の維持・補修費まで含む総合的な意味での最適化を行うことを可能にすることを目標とした. 具体的には, (1)耐用寿命に影響を及ぼす要因とメカニズムの分析, (2)外的作用・荷重環境の把握, (3)耐用寿命の推定と信頼度評価, (4)設計基準の最適化のための分析手法の開発を行い, その結果を基礎として, (5)最適な設計基準策定の方法を提示することを目指した. さらにこれらの成果に基いて具体的な都市高速道路構造物に関するケーススタディを行い(6)これまでの設計体系を改善する具体策について提言を行った.
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