研究分担者 |
山尾 敏孝 熊本大学, 工学部, 助手 (40109674)
平井 弘義 熊本大学, 工学部, 講師 (90143007)
大津 政康 熊本大学, 工学部, 助教授 (80109016)
今井 克彦 川鉄建材工業(株), 技術研究所, 課長 (30301253)
平井 一男 熊本大学, 工学部, 教授 (60040367)
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研究概要 |
1.シリーレン法の原理にレーザー光を用いることにより, 原子の転位(すべり)の結果綱材の表面に生じるリューダース線模様を直接可視化し, 固定画像及び動画像として記録する実験システムを確立した. 2.本システムは, 綱の評論研磨に手間がかかるが, 薬品, 皮膜, ゲージ等を用いず降伏域を直接撮影するものであり, 温度, 湿度等の環境条件や薬品処理技術に左右されぬ安定した再現性を有する. 計算を必要としない, 載荷しながら動的測定が可能である等他の既存の方法にない種々の特徴を有する. 3.綱板で作成した応力集中を生じる種々の供試体について, 本システムを用いて撮影したリューダース線模様と平面応力有限要素弾塑性解析による降伏域(塑性域)の結果を対比し比較検討した. その結果, 降伏開始当初の低い荷重では, リューダース線の発生メカニズムに起因する不連続性のために, 実験における降伏域(リューダース線模様)と連続体として取扱った解析結果の降伏域は, 必ずしも一致しないことが分った. しかし, 荷重が大きくなったりリューダース線が密に生じた状態では, 針状, 楔状のリューダース線の包絡線の内側を塑性域と考えれば, 解析による降伏域と比較的良く対応する. 4.抵抗線ひずみゲージによるひずみの測定により, リューダース線内のみが降伏域であり, リューダース線内のひずみは一様でなく, 発生当初は, ひずみ硬化ひずみεstの70%程度で, あらゆる方向で転位した後εstに至ることを確認した. 5.コンクリートなどの表面が粗い物質の亀裂の直接撮影については, 有効な方法を見出せなかった. AEを利用した効力拡大係数の評価法と境界要素法により亀裂進展解析ができることを示した.
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