研究分担者 |
小尻 利治 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00026353)
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
宝 馨 京都大学, 工学部, 助手 (80144327)
椎葉 充晴 京都大学, 工学部, 助教授 (90026352)
友杉 邦雄 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50027265)
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研究概要 |
1.レーダー雨量計による豪雨の特性に関する研究-池淵・高棹らは, レーダーデータがどの程度降水構造やその変動特性を表現しうるかを把握するため, カラーグラフィックスを用いて, 3次元的なエコーの強度分布を直観的に表現する画像表示システムを開発した. これにより, 複雑な豪雨の3次元的特性を比較的容易に把握できることとなった. さらに, エコー強度分布高層観測データ, 地上風および地形との関係を定性的に検討した. 友杉は, レーダー反射因子Zと雨量強度Rの関係を規定するパラメタB, βをレーダ基本データの時間的変動性の効果を導入しながら同定する手法を提示した. 2.実時間降雨・流量予測に関する研究-椎葉は, 降雨の実時間予測手法として, 移流ベクトルを位置座標の1次式で設定する移流モデルによって, レーダーデータを逐次解析し, 降雨強度の空間分布を予測する手法を開発した. また, 洪水流通の実時間予測手法として, 有色ノイズ項を導入した確率過程的状態空間型流出モデルに, 共分散行列の修正コレスキー分解と統計的二次近似手法を組み合わせたフィルタリング・予測手法を開発した. 宝・高棹は, カルマン・フィルタ理論を流量予測に適用する際には, 非定常ノイズを考慮した状態推定法用いれば予測精度が良くなることを検証した. 小尻は, 千〜数千km^2の面積をもつ大きな流域での3時間先流量予測を対象とした実時間洪水予測システムを開発した. 3.流水管理・予報への適用性に関する研究-高棹・宝は, レーダー雨量計データを雨量に換算する際に用いるレーダー定数B, βを, 流域内の多数の地上雨量計データを利用して実時間において逐次補正しながら, より正確な面積雨量の推定, さらには洪水流量予測を行なうシステムを開発した. 由良川流域を対象として実時間補正の方法をいくつか試み, それらの流水管理予報への適用可能性を検討した.
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